8割以上が合意で売却決定
東日本大震災で仙台市から全壊と認定され、2012年1月に解体された「東仙台マンション」の所有者が、今年12月8日、跡地の売却を決議した。
連絡が取れない所有者がいたものの、個人、法人を含めた約110の所有者のうち9割以上が売却に賛成で売却可能となった。今年6月に改正された「被災マンション法」に基づくもので、東日本大震災で被災したマンションに同法が適用されるのは初だ。
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改定被災マンション法
大規模な災害などにより、全部または一部が損壊したマンションの再建や取り壊し、敷地売却を行いやすくするためのものだ。これまで被災したマンションの復旧などに適用されていたのは、「区分所有法」だった。
改修の場合は区分所有者の4分の3以上、再建する場合は5分の4以上の同意があれば可能となるが、再建せずに解体・跡地売却を行う場合は民法第251条が適用され、所有者全員の合意がなければ再建を前提としない解体・売却ができなかった。しかし東日本大震災以後にその基準が緩和され、所有者の8割の合意が得られれば決議できるようになった。
被災マンション法は、阪神・淡路大震災の際、被災したマンションの復旧・再建をスムーズにするため1995年に制定された。しかし、再建を前提とせずに解体、売却するケースを想定したものではなかったため、改正が行われた。
来年春にも売却
このマンションでは、所有者や会計士などが一般社団法人「東仙台マンション清算協会」を立ち上げ、所有権を集約している。今後はまだ連絡が取れない所有者への対応など、諸手続きを行い、来年の3月までに市内の医療法人へ約1億9,000万円で売却する計画だ。その後は代金を各所有者の敷地の持ち分に応じて配分するという。

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