賠償責任が認められた
自殺があったことを知らせずに部屋を貸したのは説明義務違反だとして、借り主が家主に約144万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、10月28日、神戸地裁尼崎支部で下された。
判決は、借り主の主張を認め、家主に賠償責任があるとするもの。賃料、慰謝料などで家主に対し約104万円の支払いが命じられた。
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事故物件とは?
自殺・殺人が起きた物件は、「事故物件(瑕疵物件)」と言われる。不動産業者には、宅地建物取引業法第47条に基づき、借り主に説明をする義務がある。明確な決まりはないのだが、過去の判例などから事件後少なくとも5年は説明義務があるとみられる。
説明されないまま契約し、後から事故物件であると知った場合、借り主は契約を解除することができる。
「知らなかった」は通らない
今回の裁判では、家主が部屋のリフォームを行うなど、「自殺があったことを知らなかったのは不自然」だとされた。
下手に隠しておいても、周囲の住民が知らないわけはなく、後々借り主が知るところとなる。今回のように、裁判に至る例も少なくない。もしも自分の所有する物件が事故物件となってしまったら、家賃を下げるなどしながら、「事故物件でもかまわない」という入居者を待つ方が良いだろう。

神戸地方裁判所
http://www.courts.go.jp/kobe/