改正「マンション建て替え円滑化法」
老朽化で耐震性が不足したマンションの取り壊しに必要な要件を緩和して建て替えを促す法律が、18日の参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。
(画像はイメージです)
区分所有者の8割以上の合意で売却可能
成立した改正「マンション建て替え円滑化法」によると、対象は1981年以前の旧耐震基準で建てられ、自治体が耐震性不足と認定したマンション。
今回の改正ではマンションおよびその敷地の売却を行う決議を現在の「区分所有者全員の合意」から「区分所有者の8割以上の合意」で可能になるよう緩和する。
決議合意者は、4分の3以上の合意でマンションおよび敷地の売却を行う組合を設立することができ、決議に反対した区分所有者に対し、区分所有権・敷地利用権を時価での売り渡し請求をすることができる。
区分所有者らで結成する組合が土地・建物の権利を一括取得し、不動産開発業者に売却できるようになる。
また、建て替えの際、敷地内に建てることができる建物の大きさを示す「容積率」も緩和し、規模の大きなマンションを建てやすくする。
老朽化マンションの建て替え加速か
国土交通省によると、昭和56年以前の古い耐震基準で建てられた106万戸のマンションのうち、建て替えを終えたのは1万戸余りにとどまっている。
政府は今回の要件の緩和で、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などに備え、耐震性が不足したマンションの建て替えを加速させたい方針である。
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/参議院議案情報
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/186/