10倍の疲労耐久性
株式会社竹中工務店は、独立行政法人物質・材料研究機構、淡路マテリア株式会社と共同で、現在、一般的に使用されているものと比較して約10倍の疲労耐久性を持つ新合金を使用した制震ダンパーを開発したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
制震ダンパーに一般的に使われている低降伏点鋼は添加元素を極力低減したもので、純鉄に近い。強度が低く延性が高いという特徴を持ち、地震時には弾塑性変形をすることによって地震エネルギーを吸収する。
新しく開発されたダンパーの心材に使用されるのは、Fe-Mn-Si系新合金。主成分である鉄に、高濃度のマンガンやケイ素などを添加して開発された。特許出願済で、疲労耐久性でなく耐性や耐腐食性にも優れている。
JPタワー名古屋の高層棟に配置
この制震ダンパーは愛知県名古屋市に建設中の「JPタワー名古屋」において、高層棟の低層部分(1~4階部分)に16基が配置されている。心材となるFe-Mn-Si系新合金をせん断パネルとして用いることで、地震エネルギーを吸収させる。
プレスリリースでは
今後は、主に超高層建物の長周期・長時間地震動対策として、本制振ダンパーをオイルダンパーや摩擦ダンパーなど従来のダンパーと併せて適材適所に採用することでBCP(事業継続計画)の面から優れた建物を提供していきます。(株式会社竹中工務店プレスリリースより引用)
と述べられている。
株式会社竹中工務店 プレスリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2014/05/01/index.html