下鴨神社境内に3階建てマンション計画
3月2日(月)、世界文化遺産の下鴨神社が、境内に3階建てマンションを建設する計画を発表した。
この計画は、下鴨神社が境内の一部を事業者に貸し出し、高級分譲マンションとするもの。マンションは、2015年11月に着工し、2017年に完成する予定。
「式年遷宮」の費用確保を目指して
下鴨神社境内におけるマンション計画は、社殿を一新する「式年遷宮」の費用確保を目的とするもの。
この境内は、世界遺産の指定地域外となり、マンション建設に際して、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)や、国などに相談。「問題はない」という結論に至っている。
京都市によると、このマンション計画は、現在開発業者との間で事前協議をおこなっている段階。用地が市の特別修景地域などに指定されていることから、今後は許可手続きをとるために、市の美観風致審議会に諮問する方針だ。
下鴨神社では、2015年4月に、34回目の式年遷宮を実施する予定。21年ぶりとなるこの式年遷宮において、事業費をまかなう募金活動が難航したため、次回の遷宮に向けた費用確保が必要と判断した。
このマンション建設では、年間約8千万円の地代収入が見込まれており、この費用は、境内の整備や文化財の保存事業などに充てられる。
鉄筋コンクリート3階建てマンションを建設
下鴨神社境内内に建設されるのは、鉄筋コンクリート3階建てのマンション。現在有料駐車場や研修道場として利用されている、境内の南端約9600平方メートルが計画地となる。
8棟のマンションには、合計107戸が入り、駐車場や自転車置き場なども整備される。
さらに、京都市の景観を図るため、敷地内の表参道は石畳風舗装に、屋根は日本瓦にするほか、御蔭通の歩行スペースの幅を拡大、建物周辺の植樹をおこなっていく。
世界文化遺産の下鴨神社に建設されるこのマンションでは、神社の行事や境内整備などに理解ある人の入居が期待されている。

下鴨神社ホームページ
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/