住宅ローンの収益性調査
金融庁が銀行の住宅ローン事業の現状を把握するため、銀行に対して住宅ローンの収益性の調査を行うことがわかった。
調査の背景
長期金利の過去最低水準が続く中で、過当競争への懸念と将来的に住宅ローン事業の採算割れに伴う業績悪化を防ぐ狙いがある。調査の対象となるのは主要銀行と住宅ローン業務の比重が高い一部の地銀で合計30行あまりとみられている。
激化する低金利競争
住宅ローンの貸出残高は2014年3月末時点で113兆5413億円(住宅金融支援機構)で、三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の3大メガバンクは相次いで過去最低の長期金利を発表し低金利を競い合っている。また地方銀行の中には、地方経済の冷え込みが続き企業への貸し出しが少ないことから住宅ローンの貸し付けに依存する傾向がある銀行もあり、他行より低いレートを設定し顧客を奪う動きもあるという。
初の実態調査
今回の調査は金融庁にとって初の試みとなり、各行の住宅ローン業務の利ざややリスク管理を調査する。この調査結果は公にする予定はないとのことだが、「金融モニタリングレポート」にて公開する可能性がある。それぞれ是正すべき問題があれば個別の面談や立ち入り調査も視野に入れるという。

金融庁
http://www.fsa.go.jp/