太陽電池・耐久性は既存の10倍
住宅・マンション・ビルのリフォーム、太陽光発電システムなどを手掛ける株式会社PGSホームは、奈良先端科学技術大学院大学の石川泰明准教授と共同で、色素増感太陽電池に使用される高耐久性電解質の開発に成功。実用化されれば低コストで耐用年数の長い太陽電池として、大幅な発電コスト削減が期待できる。
共同開発による実現
色素増感太陽電池は製造プロセスがシンプルで生産コストが低く、微弱な光でも効率的な発電ができる太陽電池として活発な研究開発が行われているが、既存のものは電解液の揮発、飛散により電池性能が劣化するという問題が障害になっている。
同研究ではパーフルオロカルボン酸樹脂溶液をベースとした疑似固体電解質を開発、酸化チタン層細孔の空洞化、酸化チタン層・電解質界面抵抗の上昇問題に対し、電解質にイオン液体を添加することで、従来の電解質の10倍以上もある耐久性実現に成功した。
量産に向けて開発
同社は3年後の実用化に向け、安定した量産技術の開発に取り組む。実用化されれば、低コストで耐用年数の長い太陽電池として発電コストの大きな削減に貢献できる。
なお、同研究成果は、ドイツ科学誌「ソーラー・エネルギー」電子版に掲載された。

株式会社PGSホームのプレスリリース
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