どんどん増える老朽化マンション
オリンピック開催決定や、アベノミクス効果でマンション市場が活発になっている。首都圏では新築タワーマンションがどんどん増えている。その一方で、老朽化問題を抱えるマンションが全国各地で急増している。
ツタに覆われひび割れた壁、割れた窓、山積みになったゴミ。まるで廃虚だ。治安の低下にもつながり、放っておいても良いことは何もない。
(画像はWikipediaより)
国はどう対策?
国土交通省は10月4日、耐震改修促進法を11月25日付けで改正すると発表した。1981年以前の耐震基準で建てられたマンションは、耐震診断や耐震工事などの実施を行うように努めるように、というものだ。さらに、老朽化したマンションを売却する際に、所有者の8割から同意が得られれば売却できるように規制を緩和する方針だ。
しかしいくら補助が出る、規制緩和されると言われても、お金はかかるし手続きが大変であることに違いはない。老朽化したまま放置されていると言うことは、そもそも管理するための資金がないのだから、「努力せよ」といったところで、「はいそうですか」と応じる家主は少ないだろう。
各地の対策例
東京都豊島区では、今年7月、「マンション管理推進条例」を施行した。マンションの管理状況や長期修繕計画の届け出を義務づけるもので、条例に違反するとマンション名が公表されることもある。条例施行後、管理組合や修繕計画がなかったマンションでは、管理体制を整えようとする動きが出ているという。また、京都府京都市では、管理が難しいマンションを「要支援マンション」に指定し、管理士を派遣するなどのサポートを始めている。
ただし、これらはあくまで「スラム化」してしまわないための予防策だ。すでに廃虚状態のマンションをどうするか、ということに関しては、まだまだたくさんの問題が残っている。

読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20131023-OYT8T0023豊島区公式サイト
https://www.city.toshima.lg.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/京都市 平成23年度高経年マンション実態調査報告書
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000146/146