相続税の申告漏れ課税価格が増加
株式会社MS-Japanが運営する、会計業界に関するポータルサイト「KAIKEI NET(カイケイ・ネット)」に相続税についてのコラム「国税は既に情報を把握済み? 相続税無申告の事例」が掲載された。
国税庁が発表した2014年における相続税の申告状況によると、相続税の対象となる課税価格の合計は2013年比98.7%の11兆4,766億円、被相続人1人当たりでは同95.5%の2億407万円となっている。
一方で、2014事務年度における相続税の申告漏れ課税価格は2013事務年度比106.8%の3,296億円で、実地調査1件当たりでも同102.5%の2,657万円と増加している状況だ。
改正相続税法の施行以降、無申告者の摘発・監視を強化
相続税の申告を相続人に促す場合、被相続人が死亡すると死亡届が提出されるので、それを受けて管轄の市区町村役場は税務署に死亡通知を行い、税務署が前年の所得の有無、親からの相続・贈与の有無、海外送金の有無により金額と合わせて申告が必要かどうかを判断、申告の必要がある相続者宛てに申告書を郵送するという仕組みで行われる。
つまり現行の手続きでは、被相続人が死亡してはじめて親族の財産を申告する作業が発生するため、なかには被相続人が死亡する前日や当日に、相続人が被相続人名義の銀行口座から預金を引き出し、他の口座へ移動させたり、配偶者の住宅ローン返済に充当させてせるなどして、あたかも被相続人の遺産は相続税の基礎控除額以下であるかのように装うというケースも発生している。
今年1月に改正相続税法が施行され、富裕層以外にも課税対象が広がっていることなどからも、国税庁はこのような悪質な無申告者が現れないように、これまで以上に厳しい目で監視している。
KAIKEI NETコラム
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