超高層建築物への影響を研究
起こり得ると想定されている「南海トラフ沿いの巨大地震(以下 南海トラフ地震)」について内閣府は、「南海トラフの巨大地震モデル検討会」及び「首都直下地震モデル検討会」の両検討会における報告書を公表し、タワーマンションなど超高層建築物の管理者、施工者が具体的な対策を詰めるための情報を提供している。
報告書は超高層建築物における室内の家具の移動・転倒、人の行動への影響などを主な評価項目とし、それにた地盤構造モデルや長周期地震断層モデルなどの電子データも加味して作成されている。
首都圏に甚大な被害が懸念される南海トラフ地震
南海トラフ地震が発生した場合、地盤の柔らかい三大都市圏での揺れは比較的長く、最大速度及び最大変位は強震動生成域付近で大きくなる一方で、たとえ強震動域が三大都市圏から離れている場合にも揺れが大きくなる可能性があるという。
「超高層建築物への影響」については、最も大きな揺れが観測された場合にも、建物が倒壊する事態に至るまでには若干の余裕があると見込まれ、一方で狭い室内での家具・家電などの転倒といった室内被害がより甚大になる可能性に言及されている。
構造的に地震時の体感震度が大きくなる超高層建築の建物内では、立っていることが困難になるなど、人によってはパニック状態を誘発させかねないため、有事前からのトラブル対策が重要な意味をもつものといえる。
今回取り纏められなかった相模トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動についても、首都圏等に対する影響が懸念されることから、新たな検討会を設置し、早期に推計結果を取り纏める必要がある。
(プレスリリースより引用)
内閣府 「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」について
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/nankaitrough_report.html