管理費は同額でも高騰する修繕費用
物価の高騰が叫ばれる昨今、それに伴う工事費の高騰によりマンションの修繕事業に黄信号が点っているという。
マンションの大規模修繕は一般的に12年に一度の割合で実施されることが多いが、世界経済・金融情勢にデリケートに影響されやすいといわれる大規模工事費の問題について、マンション経営者は今一度留意事項を再確認しておく必要がありそうだ。
“失われた20年”のなか低迷していた工事需要が昨今では右肩上がりの成長を続け、設備投資に力を入れるアベノミクスの恩恵も受けて順風満帆なようにも見えていた。
しかし「2013年春を基準にすると、工事費は今、3割くらいは値上がっています(事務所関係者)」というように、かつては一戸あた100万円程度だった修繕費相場が130万円近辺にまで上昇してきているというのだ。
五輪の影響も善し悪し?
今後にかけて東京五輪関連施設の建設ラッシュが始まるにあたり、「マンションの修繕工事を請け負う余裕がなくなる(建設業界関係者)」という懸念が建設業者側では囁かれている。
また17年4月には消費税の再増税を控えるが、「駆け込み需要が再度訪れる」という希望的観測はあまり業界で主流ではなく、それまでにさらに高騰していると思われる建設費に鑑みて、楽観視のできない現実が続いているようだ。
(画像はプレスリリースより)

国交省 建設工事費デフレーター
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei