全国のマンション1万4,000棟の修繕積立金を分析
日本経済新聞(日経)は3月26日、不動産情報会社グルーヴ・アールの協力を得て、全国のマンション物件の1割にあたる1万4,000棟の修繕積立金を分析し、その結果を日経電子版で発表した。
全国のマンションで75%が国の目安を下回る
国土交通省は、2011年「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を作成し、新築時から30年間に必要となる修繕工事費の総額を、均等積立方式による月額の目安を示した。
15階建て未満のマンションについては1平方mあたり月178~218円、20階建て以上のタワーマンションについては月206円を必要額とした。
日経が積立金の実勢平均額を加え独自に試算したところ、全国のマンションで1万4,000棟のうち75%の1万500棟が国の目安を下回った、という。
そのうちの約900棟あるタワーマンションは8割弱が未達で、国の目安の半分に達していない物件も1割あった、とのこと。
国交省マンション政策室によると、修繕工事費は、マンションの立地条件や形状、設備内容に左右されるので、国の目安以下でも、すぐに不適切とは判断されない。
しかし、修繕積立金が足りないと適切な修繕ができず、マンションの資産価値が下がる可能性が高まる。
適切な維持管理のために積立金の増額が必要だが、管理組合の総会で過半の出席と賛成が必要となる。また、管理規約を変更する増額には、所有者の4分の3以上の同意が求められるため、容易ではない。
特に、タワーマンションなどの大規模物件や、居住者に高齢者が多いマンションでは、増額の合意形成が難しくなっているという。
(画像はプレスリリースより)

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