
株式会社タスは、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2018年3月」を発表した。
トヨタ自動車の業績と愛知県の賃貸住宅市場
「トヨタ自動車がくしゃみをすると愛知県が風邪をひく」といわれており、これは賃貸住宅市場にも例外なく当てはまる。賃貸住宅市場に影響を与える世帯数の増加幅や貸家着工数の変化、空室率の変化は、トヨタ自動車の業績に影響を受けている。
愛知県の賃貸住宅供給状況
2016年度は、トヨタ自動車の業績が前年度割れ、相続税の基礎控除減額、税率アップなどの相続税改正、マイナス金利導入の影響で、貸家着工数の増加傾向が続いたことから、賃貸住宅の供給過剰感が出てきていた。
これは、相続税対策目的の賃貸住宅着工が増加した2015年以降は、愛知県でも賃貸住宅の供給が需要を大きく上回った可能性があるためである。
なぜならば、相続税対策で賃貸住宅を建設するということは、従前は持ち家など賃貸住宅ではない場合がほとんどであったため、着工数が純増となっているためである。
2017年度の動向は
このため、2017年度はトヨタ自動車の業績が回復傾向となったにも関わらず、空室率の回復が遅れている。アパート系の空室率の方が、マンション系空室率と比較して、トヨタ自動車の業績により大きく反応している。
これは、アパートに多く居住する派遣社員や契約社員が、トヨタ自動車の業績による雇用調整の影響を大きく受けることに起因すると考えられる。
(画像はプレスリリースより)

株式会社タス 賃貸住宅市場レポート
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