駅からの所要時間よりも、築年数の方が賃料下落に大きく影響!!
株式会社東京カンテイは5月7日に、「築年数」×「最寄り駅からの所要時間」の違いが分譲マンションの賃料水準に及ぼす影響についての調査を発表した。
(画像はプレスリリースより)
分譲マンションを「築年数」と「最寄り駅からの所要時間」で区分けし、各属性区分で賃料を集計した。東京23区では、「築3年&徒歩3分以内」を頂点に、賃料水準が低下する傾向にあることが分かった。一方、大阪市や名古屋市では、「築3年」で所要時間による賃料の違いが明確に表れず、賃料水準の頂点が不明確になっている。
また、「築年数」が古くなると最大で30~40%程度の賃料減価が見られたのに対し、「所要時間」が長くなっても最大で15~20%程度の減価に留まっていた。この傾向はどの主要都市にも見られた特徴であった。
築年数が与える賃料減価の影響度
築3年の賃料を100%として、築年数の変化が賃料減価に及ぼす影響を見ると、東京では10年で10%、15年で20%、20年で30%程の賃料減価があり、30%ほどで大底圏を形成していた。
一方、大阪市や名古屋市では、築年数による減価の割合が東京よりも大きく、20年では東京よりも5~10%も減価していた。また、大底圏は40%ほどであり、東京より減価割合は高いが、下げ止まりを確認することができた。
これは、築年数が古くなるにつれてリフォームされて貸し出されるケースが増えていることも要因の一つである。しかし更に言えることは、一定の築年数で賃料は大底圏を形成するため、築25年や築30年といった物件であっても一定水準以上の収益性があることを示しているということだ。
駅からの所要時間が与える賃料減価の影響度
次に、「最寄り駅からの所要時間」3分以内の賃料を100%として賃料水準の変化を追った。すると、東京と名古屋では「7~10分」までの賃料はあまり減価していないのに対し、「11~15分」では10%以上の減価が生じ、更に「16~20分」では減価率が16.2%にまで達していた。東京と名古屋においては、徒歩10分圏内の物件にニーズが集まっていると推測される。
一方大阪では、「11~15分」以降でも減価率に大きな違いが見られなかった。これは、対象物件と事例数が極端に少ないため、統計結果にゆがみが出てしまったためである。

東京カンテイ
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/79tin_analysis.pdf