「管理費修繕積立金の滞納と回収シリーズ」スタート
この度、NPO埼玉マンション管理支援センターが、「管理費修繕積立金の滞納と回収シリーズ」を始めたことを発表。
第4回までのこのシリーズでは、「管理費」「修繕積立金」の滞納と回収について取り上げていく。
「管理費」「修繕積立金」の滞納と回収をシリーズ化
「管理費」「修繕積立金」は、マンション管理運営にかかせないもの。しかし、その滞納に悩まされている管理組合が多いという。
管理組合にとって、居住者という同じ立場のものが「徴収行為」をおこなうことは、非常に心苦しいこと。だからといって、管理会社が「完全回収」をおこなうことも難しく、理事会も、総会の総意となる事業で手いっぱいというのが現実。
そこで今回、埼玉マンション管理支援センターは、「管理費修繕積立金の滞納と回収シリーズ」をスタート。全4回のなかで、「管理費」と「修繕積立金」の滞納と回収について取り上げていくことにした。
第1回は「分譲マンションの管理費の特殊性」
シリーズ第1回は、「分譲マンションの管理費の特殊性」がテーマ。管理費インシュア株式会社の藤田武士氏が、このテーマについて語った。
その多くが、管理会社の指定する収納会社の口座振替にて支払われている管理費においては、口座振替ができなかった場合、まずは、管理会社が督促業務を3ヶ月から6ヶ月実施するのが一般的。そのあと、管理組合が督促するのが通常だという。
しかし、「管理費の督促は管理会社が対応するもの」と思い込んでいる組合員や理事も多く、国土交通省も「管理費債権の回収はあくまで管理組合がおこなうもの」とコメントしている。
ただ、督促のノウハウがない管理組合が、管理会社を頼りにし過ぎ、回収に長期間を要し、回収しきれない事例もあるという。
たったひとりの組合員の支払いが滞るだけで、マンション全体にダメージは広がっていく。そのダメージが積み重なると、管理組合員同士の信頼関係の崩壊にも。
藤田氏は、今回の第1回で、組合員同士が「督促回収」しなければいけない、コミュニティ崩壊の危険性などについて言及した。
管理組合と管理会社の協力体制の再構築が重要
通常の管理費でまかなうものは、共用設備の保守維持費や経常的な補修費など、幅広い管理にかかる費用。また、エレベーターや受水槽の定期点検や消防点検なども、人命を守るために管理費が必要となる。
そして、「修繕積立金」も、大規模修繕工事を適切な時期におこなうために必要なもの。修繕工事をしないままマンションが老朽化してしまうと、資産価値低下や流通性にも大きな影響を及ぼしてしまう。
そんな「管理費」と「修繕積立金」の滞納は、組合内の不協和音の原因にも。毎月きちんと支払いをおこなっているものまでが、「滞納者が支払うまで自分も支払わない」と言い出すことになる。
そんな負の連鎖を防ぐため、管理組合と管理会社がお互いの立場を見定めたうえで、管理委託契約を再確認。協力体制を築いていく必要があるようだ。

NPO埼玉マンション管理支援センター「管理費修繕積立金の滞納と回収シリーズ」
http://www.saikancenter.org/information/